恐怖心 (呪縛) からの開放

私が瞑想を始めた動機は、夫と母の狭間で辛く苦しい思いをしていたからです。
母の口煩さにだんだん嫌気がさした夫は、以前にも増して家庭を顧みなくなりました。
私が我慢をすることで夫婦間のいざこざは避けられましたが、
私の悩みは特に母に向けてでした。
母の言葉、行為、行動の良し悪しは別として、
それに逆らえば、相手を傷つける言葉で威嚇し、それでも感情が治まらないときは、
行動に移して自身の怒りを静めます。
私にとっては夫よりも、家族を家臣のように牛耳る母の性格の強さの方が、途轍もない恐怖でした。
そんな生活の中で私の心には何時も在る思いがありました。
“母に自分の気持ちを素直に言えたら、どんなに心がスッキリするだろう” と。
しかし母を前にしては、恐怖心が先に立ち一言も言えなくなるのです。
そのような状況下で、私の運命を好転させる瞑想に出会い、
「心を開く・想いから離れる・自分を観る」 金井メソッドを始めました。
長い期間に亘って植え付けられた恐怖心は、短期間の瞑想で容易に消滅するものではなく、
無理をしない範囲での毎日の瞑想と長い時を経て、
ある時期を境に少しずつ恐怖心から開放されていくのを実感できるようになりました。
恐怖心から開放されてみると、母の反応がどうであれ躊躇することなく言えるようになり、
これまでの苦しみは一体何だったの?と不思議に思えるくらいの心地よさを感じます。
金井メソッドに出会った私は本当に幸せ者です。
金井先生曰く ”呪縛からの開放” だそうですが、
私のように親に対して何も言えない子供もいれば、躊躇することなく言える子供もいます。
その違い、原因となるものは一体何なのでしょうか?
金井先生にお尋ねしました。
「確かに自分自身に対して素直であれば、恐怖心が湧くことは無いでしょう。
しかし問題は、なぜ自分に素直になれないか、ということです。
自分に素直になれないのは、小さいときにそれが許されない環境だったからです。
親や兄弟やその他のまわりの人間や状況によって、
素直に自分を表現すると叱られたり軽蔑されたり、といった状況があると、
自分に素直になることができず、それが長い間続くと、
無意識のうちに素直になることができなくなります。
もちろん、そのような状況に加えて、その子供の持って生まれた性格も影響しますから、
子供が持っているものと状況の総合で決まることになります。」
これから結婚し子供を持つ人、もう既に子育て最中の人も、
素直に表現しようする子供らしさを大事にして、慈しんで接してあげて戴けたらと願っています。